問い合わせフォームの項目、多すぎませんか?

入力項目が多すぎてスクロールが必要な問い合わせフォームが表示されたスマートフォン画面

せっかく問い合わせフォームまでたどり着いたのに、送信ボタンを押さずに離脱される。

これは、中小企業のホームページで最も「もったいない」瞬間です。

サイトを見て、サービスに興味を持ち、「ちょっと聞いてみようかな」と思ってフォームを開いた。ここまで来た時点で、その人は見込み客の中でもかなり温度の高い状態です。にもかかわらず、フォームを見た瞬間に閉じてしまう。

原因は、ほとんどの場合シンプルです。入力項目が、多すぎるのです。

目次

フォームを開いた人の「気持ち」を想像する

あなたが初めて見つけた整体院のサイトで、「まずは相談してみよう」と問い合わせフォームを開いたとします。

そこに並んでいたのは——

氏名(必須)、フリガナ(必須)、メールアドレス(必須)、電話番号(必須)、住所(必須)、年齢(必須)、性別(必須)、来院希望日・第1希望(必須)、第2希望(必須)、第3希望(必須)、症状の詳細(必須)、当院を知ったきっかけ(必須)、その他ご要望(任意)。

13項目。しかもほぼ全部が必須。

あなたなら、これを最後まで入力しますか?

多くの人は「やっぱりいいや」と画面を閉じます。まだ行くかどうかも決めていない段階で、住所や年齢まで求められるのは心理的な負担が大きい。「ちょっと聞いてみよう」程度の気持ちは、13項目の入力欄を前にして一瞬で冷めます。

「聞きたい」と「聞くべき」は違う

なぜ項目が多くなるのか。理由は明確です。

経営者やスタッフが「事前に知りたい情報」を全部フォームに詰め込んでいるからです。

来院希望日を3つ聞いておけばスケジュール調整が楽。住所を知っておけば来院圏かどうか分かる。症状を詳しく書いてもらえれば事前準備ができる。どれも業務効率の観点からは正しい。

しかし、それは「あなたの都合」です。

お客様の都合は違います。お客様はまだ「ちょっと興味がある」段階。まだ信頼関係もできていない相手に、個人情報を13項目も渡すのは不安でしかない。

フォームの設計で考えるべきは「自分が何を聞きたいか」ではなく、「相手がどこまでなら答えてくれるか」です。

項目を減らすと、問い合わせは増える

これは感覚論ではなく、Webマーケティングの世界では繰り返し実証されている事実です。

フォームの入力項目を減らすと、送信完了率(コンバージョン率)が上がる。項目数と送信率は、ほぼ反比例の関係にあります。

11項目のフォームを4項目に減らしただけで、問い合わせ数が2倍以上になった——こうした事例は珍しくありません。項目が1つ増えるごとに、送信率は平均で数%ずつ下がるとも言われています。

「でも、情報が少ないと対応できないのでは?」

大丈夫です。足りない情報は、問い合わせの後に聞けばいい。電話やメールでやり取りする中で確認すれば済む話です。フォームで全部聞こうとするのは、初対面の人に履歴書を渡させるようなものです。まずは名前と連絡先だけもらって、関係を始めることが先です。

項目が多すぎるフォームとシンプルな3項目フォームを比較したスマートフォン画面

最低限必要な項目は、たった3つ

では、フォームに何を残すべきか。業種を問わず、本当に必要な項目は3つだけです。

① 名前

フルネームでなくても構いません。「お名前」として、苗字だけでも入力できる状態にしておく。フリガナは不要です。読み方が分からなければ、電話で確認すればいい。

② メールアドレスまたは電話番号

連絡手段が一つあれば十分です。メールアドレスと電話番号の両方を必須にしている形式がサイトがありますが、片方でいい。お客様に「連絡が取れる方法を一つ教えてください」と伝える感覚です。

③ 相談内容(自由記述)

「ご相談内容をご自由にお書きください」という一行のテキストエリア。これだけで、お客様は自分の言葉で悩みを伝えてくれます。選択肢やプルダウンで無理に分類させる必要はありません。

この3項目だけなら、スマートフォンからでも30秒で送信できます。30秒なら、「ちょっと聞いてみようかな」の気持ちが冷める前に完了する。

業種別・プラスしてもいい項目

3項目を基本として、業種の特性に合わせて1〜2項目だけ追加するのは問題ありません。ただし、追加する場合は必ず「任意」にしてください。

歯科医院なら「気になる症状(任意・選択式)」を1つ。初診の準備に役立ちますが、必須にすると「まだ行くか決めてないのに」と思われます。

エステサロンなら「ご希望のメニュー(任意・選択式)」を1つ。選択式なら入力の手間がかからず、お客様も「選ぶだけ」なので負担が少ない。

税理士事務所なら「法人・個人の区分(任意・選択式)」を1つ。対応範囲の判断に使えますが、これも必須にしない方がいい。個人か法人か迷っている人もいるからです。

整体院なら、追加項目はゼロでもいいくらいです。「名前・連絡先・症状」の3つで完結させた方が、初回来院へのハードルが最も低くなります。

フォームの「見た目」も離脱に影響する

項目数だけでなく、フォームの見た目も重要です。

スマートフォンでフォームを開いたとき、入力欄が画面の下まで延々と続いているように見えると、それだけで「長そう」「面倒そう」と感じて離脱されます。実際の項目数が少なくても、レイアウト次第では多く見えてしまう。

逆に、3〜4項目のフォームならスマホの1画面にすっきり収まります。開いた瞬間に「これだけ? すぐ終わりそう」と感じてもらえれば、入力を始めるハードルが大幅に下がる。

送信ボタンの文言にもこだわってください。「送信」より「無料で相談する」。「確認画面へ」より「この内容で送信する」。ボタンを押した先に何が起きるかが明確な方が、安心してクリックできます。

フォームは「入口」であって「書類」ではない

問い合わせフォームを設計するとき、多くの経営者が無意識にやってしまうのは「申込書」を作ってしまうことです。予約に必要な情報を全部集めようとして、フォームが事務書類のようになる。

しかし、フォームの役割は情報収集ではありません。「会話を始めるきっかけ」です。

お客様が「こんにちは、ちょっと聞きたいことがあるんですが」と声をかけてくれた。それに対して「では、まずこちらの用紙に13項目ご記入ください」と返す店があるでしょうか。

「お名前と、ご連絡先を一つだけ教えていただけますか?」——対面ならこう言うはずです。

フォームでも同じことをしてください。それだけで、今まで途中で帰っていた見込み客が、あなたに声をかけてくれるようになります。

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