月額9,800円のホームページが、あなたの商売を静かに殺している。
あなたは今、ホームページを持っているだろうか。
「はい」と答えたあなたに、もう一つ聞きたい。
そのホームページから、毎月何件の問い合わせが来ているだろうか。
もし答えが「ゼロ」か、あるいは「わからない」なら——この記事はあなたのために書いた。
最後まで読んでほしい。あなたの商売の未来がかかっている。
YouTube広告で見た「夢のような話」
最近、YouTubeを見ていると、こんな広告が流れてくる。
「制作費無料!月額9,800円でプロが作るホームページ!」
安い。確かに安い。
従来のHP制作会社に頼めば、30万〜100万円はかかる初期費用がゼロ。月々たったの9,800円。年間に換算しても約12万円。飲み会3〜4回分で「プロが作るホームページ」が手に入る。
しかもその制作会社は、自社サイトでこう謳っている。
「4,000以上の企業・個人事業主をご支援」
4,000件。すごい数字だ。それだけの実績があるなら、安心して任せられそうだ。
——本当にそうだろうか?
私は実際に、ある大手サブスク型HP制作会社が手がけた6つのサイトを、ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)とコピーライティングの観点から徹底的に分析した。
業種は、整体院、映像制作会社、ウェディングプロデュース、住宅工事会社、高級焼肉店、注文住宅工務店。まったく異なる6つの業種だ。
そして、6サイトすべてに同じ問題が見つかった。
これから、その問題を一つずつ明らかにしていく。

【事例1】整体院のサイト——「型」はあるのに、なぜ響かないのか
最初に見たのは、京都にある腰痛専門の鍼灸整体院だった。
第一印象は「悪くない」だった。ファーストビューには「3ヶ月以上、真面目に整骨院・整形外科・整体に通っても辛い痛みとシビレが解決できなかったアナタへ」というヘッドライン。医師の推薦、同業者の推薦、患者の声、メディア出演歴。初回半額オファーに返金保証。
ダイレクト・レスポンス・マーケティングの教科書に書いてある要素は、一通り揃っている。
しかし、読み進めると違和感が出てくる。
悩みの箇条書きが並んでいるのだが、それが「腰痛 あるある」の域を出ていない。「買い物へ行くにも腰やお尻に痛みがあり歩くたびにシビレがあり毎日が辛い」——これは誰が書いても出てくる文章だ。
広告の巨匠ユージン・シュワルツは、著書『Breakthrough Advertising(ブレイクスルー・アドバタイジング)』の中でこう述べている。
「広告の仕事は欲求を作り出すことではない。すでにある欲求の方向を変えることだ」
つまり、見込み客の頭の中にすでにある「言葉」を拾い上げて、そこに接続しなければならない。「買い物に行くのが辛い」は事実だろう。しかし、実際の患者がカウンセリングで口にする言葉は、もっと具体的で、もっと切実だ。
「スーパーのカゴが持てなくなった」
「孫を抱き上げるのが怖い」
「夜中に寝返りを打つたびに目が覚めて、朝が来るのが怖い」
こういう「固有のディテール」がないと、読み手は「これは私のことだ」と感じない。
そしてこのサイトには、もう一つ致命的な問題があった。
院長のストーリーが「自分語り」で止まっている。バドミントンの経験から施術師になった経緯は書かれているが、それが「だからあなたの痛みがわかる」「だからこの施術法にたどり着いた」という読み手のベネフィットに着地していない。
「いい話だね」で終わってしまう。「この先生に診てもらいたい」という感情の移動が起きない。
DRMの「型」は入っている。しかし、コピーの解像度が圧倒的に低い。
これが、このサイトの診断結果だった。
【事例2】映像制作会社のサイト——そもそも「売る意思」がない
次に見たのは、東京にある映像制作・SNS運用の会社だった。
黒基調のスタイリッシュなデザイン。制作実績には自治体のPR映像や有名アパレルブランドの名前が並ぶ。
しかし、DRMの観点で見ると、このサイトには「売る意思」がほぼ存在しなかった。
まずヘッドラインが問題だ。英語と日本語で「0から無限大まで、あなたに必要なものすべて揃っています」と書かれている。
これは、ダイレクト・レスポンスの世界では典型的な「ダメなヘッドライン」だ。デイヴィッド・オグルヴィの原則に照らせば、ヘッドラインは「読み手の利益」を語るべきものだ。しかしここには利益が一切含まれていない。「0から無限大まで」は抽象的なポエムであって、見込み客の痛みにも欲望にも触れていない。
コンセプト文はこうだ。「映像がどれだけ膨大な人を動かす力があるのかは言うまでもありません。そんな映像の力を使って僕たちが出来ること。」
——BtoBの見込み客がこれを読んで、問い合わせをするだろうか。
企業の担当者が映像制作会社を探すとき知りたいのは、「うちの課題を解決できるか」「費用対効果はどうか」だ。「映像の力ってすごいよね」という話ではない。
さらに、実績の見せ方にも問題がある。自治体のPR映像や有名ブランドの名前が並んでいるのに、「その映像でどんな成果が出たか」が一切書かれていない。再生数は?来場者は増えた?CVRは上がった?——数字がひとつもない。
ダン・ケネディが繰り返し言っていることがある。
「実績とは、あなたが何をしたかではない。それによって何が起きたかだ」
このサイトは、ポートフォリオとしては機能しているかもしれない。しかしマーケティングツールとしては、まったく機能していなかった。
【事例3】ウェディング会社のサイト——「理念に酔って顧客を見失う」という罠
3つ目は、名古屋のウェディングプロデュース会社だった。
「新時代Wedding」というコンセプトを掲げ、従来の結婚式の型にはまらない自由な式を提案する会社だ。代表のメッセージには、ブライダル業界への強い問題意識が綴られている。
「結婚式のカタチだけは大きな変化がない事にずっと違和感を持っていました」
「式場側の都合をお客様に押し付けていたのではないか」
「結婚式離れが現実化している」
業界人として、共感できる内容だ。
しかし、これは「業界へのマニフェスト」であって、「結婚式を探しているカップルへのメッセージ」ではない。
結婚を考えているカップルの頭の中にある言葉は、こうだ。
- 「費用が高すぎて不安」
- 「準備が大変そう」
- 「ゲストが退屈しないか心配」
- 「親との意見が合わない」
- 「そもそも結婚式って必要なのかな」
代表の「業界を変えたい」という想いと、花嫁花婿の「不安を解消したい」という想いは、別の言語で書かれている。
そしてここでも、致命的な問題が見つかった。
社会的証明がゼロだ。
ウェディングという人生で最も感情的な買い物において、実際のカップルの声がひとつもない。挙式の写真もストック写真ばかりで、実際の式の様子がわかる写真がほとんどない。
2011年設立で十数年の実績がありながら、それを証明するコンテンツが何もない。
さらに驚くべきことに、このサイトのNEWSセクションには「自己負担0円ウェディング」「黒字化プラン」というリリース情報がひっそりと載っていた。
——これは、ファーストビューで大きく打ち出すべき極めて強力なオファーだ。
結婚式を費用面で諦めかけているカップルに対して、「自己負担ゼロで式を挙げられる」というのは、DRMで言うところの究極のリスクリバーサルになりえる。それがNEWSの1行リンクで終わっている。
最強のカードが、最弱の場所に置かれている。
【事例4】住宅工事会社のサイト——「強い武器」は持っているのに
4つ目は、神奈川の住宅工事会社。太陽光パネル、蓄電池、外装内装リフォームを手がけている。
ヘッドラインは「住宅工事のプロが本当に必要な工事を提案/施工」。
この方向性は、実は悪くなかった。
住宅リフォーム業界で見込み客が一番恐れているのは「不要な工事を売りつけられること」だ。それに対して「本当に必要な工事だけ」と明言しているのは、恐怖の裏返しとしてのベネフィットになっている。
ところが、その直後の説明文で台無しになる。
「外装・内装・太陽光発電・蓄電池まで幅広く対応し、無理な営業は行わず、わかりやすい説明と誠実な施工を大切にしています」
これでは「他のリフォーム会社も全く同じことを言っている」レベルに戻ってしまう。
ダン・ケネディが「USP(Unique Selling Proposition)」について語るとき、こう言っている。
「もしあなたの競合がまったく同じことを言えるなら、それはUSPではない」
「提案から施工まで一括請負」「なんでもご相談OK」「安心価格でご提供」——これは「強み」ではない。業界の最低条件だ。
しかし、このサイトには本当に強い武器が隠されていた。
ページの一番下に、こう書かれていた。
「太陽光パネル+蓄電池を設置する事で月の電気代が15,000円安くなる」
「太陽光パネル+蓄電池に対して最大250万円の補助金あり」
月15,000円の削減。年間18万円。10年で180万円。しかも最大250万円の補助金付き。
——なぜこれがファーストビューにないのか。
「本当に必要な工事を提案します」という抽象的なヘッドラインより、「太陽光+蓄電池で月15,000円の電気代を削減。最大250万円の補助金で実質負担を大幅軽減」のほうが、見込み客の「すでにある欲求(電気代を下げたい)」に直接刺さる。
ユージン・シュワルツの原則に忠実に従えば、答えは明白だ。
すでにある欲求に接続せよ。新しい欲求を作ろうとするな。
【事例5】銀座の高級焼肉店——こだわりが「味の約束」に翻訳されていない
5つ目は、銀座の高級焼肉店。これまでの4サイトとは少し性質が違う。
高級飲食店の自社サイトは、集客の主装置ではない。食べログ、Googleマップ、Instagram、口コミ、接待の紹介が主な集客経路で、自社サイトの役割は「すでに店名を知っている人が予約前に確認する場所」だ。
だからDRMのフルセットは必要ない。しかし「予約への最後の一押し」をするコピーの力は絶対に必要で、そこが弱かった。
ファーストビューのコピーは「妥協無き美味への探求と お客様への最大のおもてなしを お約束いたします」。
銀座の焼肉店の9割が言っていそうな文章だ。
ところが、ページを読み進めると、この店には明確な差別化要素があった。
- 「黒毛和牛の雌牛のみを使用」
- 「産地、牧場、月齢にまでこだわり」
- 「直に見て、触って、厳選して仕入れ」
これはUSPになりえる素材だ。
しかし、肝心の「だから何が違うのか」が読み手に伝わらない。和牛に詳しくない人——つまり大半の見込み客——にとって、雌牛と去勢牛の味の違いはわからない。
「雌牛は脂の融点が低く、口に入れた瞬間にとろける」
「一般的な和牛とは舌触りがまるで違う」
こういった体験に変換した説明が一文あるだけで、「こだわり」は「味の約束」に変わる。
ユージン・シュワルツの言葉で言えば、これは「Feature(特徴)」と「Benefit(利益)」の違いだ。
特徴を語るな。その特徴が読み手の人生にもたらす変化を語れ。
この店は、語るべき素材を持っている。しかしそれが翻訳されていない。
【事例6】注文住宅の工務店——今日見た中で、最も深刻
最後は、大阪の注文住宅工務店だった。
このサイトは、今日見た6サイトの中で最も深刻な問題を抱えていた。
まず、ファーストビュー。注文住宅の会社なのに、ヒーロー画像が明らかにストック素材のインテリア写真だ。自分たちが実際に建てた家の写真ではない。
数千万円を託す会社のサイトが「イメージ画像」で埋まっている。これだけで離脱する人がいるだろう。
次に、ポジショニング。ページタイトルに「お得な工務店」と謳っている。
注文住宅で「お得」を前面に出すのは危険だ。家を建てる人が最も恐れているのは「安かろう悪かろう」「手抜き工事」「アフターサービスが消える」ことであって、「お得」は不安を増幅させる言葉にもなりうる。
見込み客の欲求は「安い家」ではない。「自分の理想の家を、信頼できる会社に、適正価格で建ててほしい」だ。
そして決定的だったのが、施工事例・コラム・スタッフ紹介のセクションがすべて空っぽだったことだ。
セクションの枠は作られている。しかし中身が入っていない。注文住宅のサイトにおいて、施工事例とスタッフ紹介は最も重要なコンテンツだ。それが空のまま公開されている。
未完成のサイトが、インターネット上に晒されている。
さらに、ナビゲーションには「注文住宅」と並んで「任意売却」「訳あり物件買取」が並んでいた。
新しい家を建てたいと思ってサイトを訪れた人が、「訳あり物件買取」の文字を見たらどう感じるか。注文住宅は「夢」を売る商売で、任意売却は「経済的に困窮した人」向けのサービスだ。この2つが同じナビゲーションに並ぶのは、ブランドイメージの自殺行為に等しい。
コピーの問題ではない。設計思想そのものが壊れている。

6サイトに共通する「5つの病」
ここまで6つのサイトを見てきた。業種はバラバラだが、すべてに共通する問題がある。
私はこれを「5つの病」と呼んでいる。
病① テンプレート依存症
6サイトすべてが、同じWebサイトビルダーのテンプレートをベースに作られていた。デザインの「型」は整っているが、その業種・そのビジネス固有の強みを表現するカスタマイズが行われていない。
テンプレートは「平均的な見た目」を提供してくれる。しかし、平均的なサイトが平均的な成果しか出さないのは当然のことだ。
病② 顧客視点の完全欠如
6サイトすべてが、「自分たちが言いたいこと」から始まっていた。「顧客が知りたいこと」から始まっているサイトはひとつもなかった。
「私たちのこだわり」「私たちの理念」「私たちのサービス」——主語が全部「私たち」だ。
広告の世界で100年以上前から言われ続けていることがある。
「顧客は、あなたのことに興味がない。自分のことにしか興味がない」
病③ 社会的証明の不在
お客様の声、導入事例、具体的な成果数字——こういった「第三者の証言」が決定的に不足しているサイトが大半だった。
人間は、売り手の言葉より、買い手の言葉を信じる。これは心理学で「社会的証明(Social Proof)」と呼ばれる原則で、ロバート・チャルディーニが『影響力の武器』で詳述している。
どれだけ美しいコピーを書いても、第三者の証言がなければ「それ、本当?」で終わる。
病④ ストック写真依存
実際の施術風景、実際に建てた家、実際の料理、実際の結婚式——そういった「リアルな写真」ではなく、素材サイトから購入したストック写真が多用されていた。
ストック写真は「どこかで見たことのある風景」だ。見込み客は無意識のうちにそれを感じ取る。「この写真、他のサイトでも見た気がする」——その瞬間、信頼感は消える。
病⑤ 段階的CTAの不在
6サイトのほぼすべてで、アクションの選択肢が「お問い合わせ」一択だった。
ここで少し考えてほしい。
あなたが初めて訪れたサイトで、いきなり「お問い合わせ」ボタンを押すだろうか?
多くの人は押さない。まだ検討段階だからだ。「もう少し情報がほしい」「比較したい」「まだ決められない」——そういう人のほうが圧倒的に多い。
ダイレクト・レスポンス・マーケティングの基本に「リードジェネレーション(見込み客の獲得)」がある。無料診断、資料請求、LINE相談、事例集のダウンロード——こういった「低ハードルのオファー」を用意して、まずは見込み客の連絡先を獲得する。
「お問い合わせ」しか選択肢がないサイトは、「まだ買う気はないけど興味はある」という最大多数の見込み客を、全員取りこぼしている。
ではなぜ、6つのサイトが同じ病にかかっているのか
ここからが本題だ。
6つのサイト。6つの業種。6つの経営者。
それぞれに、それぞれの想いがある。整体院の院長にはバドミントンで培った身体への理解がある。映像制作の代表には映像の力への信念がある。ウェディング会社の代表にはブライダル業界への危機感がある。工務店には「本当に必要な工事だけを」という誠実さがある。焼肉店には雌牛へのこだわりがある。注文住宅の会社には「笑顔が絶えない家」を作りたいという願いがある。
しかし、6サイトすべてが同じ病にかかっている。
偶然だろうか?
いや、偶然ではない。
実は、この6サイトはすべて、ある1社のHP制作会社によって作られていた。
YouTube広告で「制作費無料!月額9,800円でプロが作るホームページ!」と宣伝している、サブスクリプション型のHP制作会社だ。
月額9,800円のビジネスモデルを分解する
この制作会社のビジネスモデルを分解してみよう。
月額9,800円で利益を出すためには、1件あたりにかけられる工数を極限まで圧縮する必要がある。
だから、こうなる。
① テンプレートを使う。
Webサイトビルダーの既成テンプレートをベースに、クライアントの素材を流し込む。業種ごとの深いリサーチやカスタマイズに時間をかける余裕はない。
② コピーはクライアント任せ。
DRMの知見に基づいたコピーライティング、ターゲット分析、競合調査、顧客インタビュー——こういった工程は、月額9,800円の原価構造では組み込めない。だから「お客様にテキストをいただいて、それをデザインに載せる」形になる。
③ 写真もクライアント任せ(または素材サイト)。
プロカメラマンを手配して現場撮影する予算はない。クライアントが写真を持っていなければストック写真で埋める。
④ 量で稼ぐ。
4,000件以上の顧客基盤。月額9,800円×4,000件で、月商は約3,920万円のストック型収益になる。薄利多売の究極形だ。
結果として出来上がるのが、「見た目はそれなりだが、集客力のないサイト」だ。
制作会社は悪なのか?
ここで断っておきたい。
この制作会社が「悪い」とは言わない。
ビジネスモデルとしては、よくできている。制作費という初期障壁を取り除き、月額課金で継続収入を確保する。YouTube広告で集客し、4,000件の顧客基盤を築く。そこにSEO記事代行、広告運用代行、TikTok広告企画といったアップセル商品を重ねる。
そして皮肉なことに、この制作会社自身のサイトはDRM的にはるかにまともだ。
明確なオファーがある(制作費無料、月々9,800円)。数字の権威性がある(4,000以上の支援実績)。お客様の声がある。LINE相談・資料ダウンロードという段階的CTAがある。成果事例には具体的な数字(CPA3,000円以下で集客成功)まで入っている。
つまり、この制作会社は自社のマーケティングではDRMの基本を実践しているのに、クライアントに提供するサイトにはそれを一切反映していない。
なぜか。
答えは単純だ。月額9,800円の範囲で、コピーライティングまでやったら事業が成り立たないから。
これは意図的な設計だ。「見た目を整える」ところでサービスの線を引いている。集客はスコープ外。集客したければ、追加でSEO記事代行や広告運用を買ってください——そういうビジネスモデルになっている。
制作会社は、自分の仕事を全うしている。
問題は、クライアント側がそのことを理解していないことだ。
「ホームページがある」と「ホームページが働いている」は、まったく違う
多くの事業者が、こう考えている。
「ホームページを作れば、お客さんが来る」
これは、30年前のインターネット黎明期には正しかった。ホームページを持っているだけで珍しい時代があった。
しかし2026年の今、ホームページは「あって当たり前」だ。あなたの競合も持っている。あなたの競合の競合も持っている。
ホームページが「存在する」ことには、もはや何の価値もない。
価値があるのは、ホームページが「働いている」ことだ。
「働いている」とは、こういうことだ。
見込み客がGoogleで検索する。あなたのサイトが表示される。クリックする。ファーストビューを見た瞬間に「ここだ」と感じる。読み進める。自分の悩みが言語化されている。「この人はわかっている」と感じる。解決策が提示される。実際に解決した人の声が載っている。信頼が生まれる。「まずは相談してみよう」と思う。LINEで友だち追加する。翌日、メッセージが届く。予約が入る。
この一連の流れが「ホームページが働いている」状態だ。
月額9,800円のサイトは、この流れの最初の一歩——「サイトが存在する」——だけを提供している。そこから先の「見込み客の心を動かし、行動させる」部分は、スコープに入っていない。
あなたのサイトは「働いて」いるか?
ここまで読んで、少しドキッとした人もいるかもしれない。
自分のサイトを思い浮かべてほしい。
こんな症状はないだろうか。
- サイトはあるが、そこからの問い合わせがほぼゼロ
- ファーストビューが「私たちの理念」や「会社概要」で始まっている
- 「お客様の声」がないか、あっても2〜3件
- 写真がストック素材中心で、自社の実際の写真が少ない
- アクションの選択肢が「お問い合わせ」しかない
- 初回オファーや資料ダウンロードなどの「入口商品」がない
- Googleアナリティクスを見たことがない(またはそもそも入っていない)
- 更新が半年以上止まっている
- サイトの制作費が月額制で、制作会社に任せきり
3つ以上当てはまるなら、あなたのサイトは「存在している」だけで「働いていない」可能性が高い。

ホームページの「本当のコスト」を計算してみよう
月額9,800円のサイトは、年間約12万円だ。安い。
しかし、「本当のコスト」はそこではない。
あなたの業種で、1件の問い合わせから成約に至った場合の平均売上を考えてほしい。
整体院なら、1人の患者が月2回×6ヶ月通えば、施術単価8,000円として約10万円。
リフォーム会社なら、外壁塗装1件で80万〜150万円。
注文住宅なら、1棟で2,000万〜4,000万円。
焼肉店なら、接待利用のリピーターが月1回×12ヶ月で、客単価2万円として24万円。
ウェディングなら、1組で200万〜400万円。
サイトが「働いていない」ことで逃している売上は、月額9,800円の比ではない。
たとえば、リフォーム会社が月にたった1件、サイトからの問い合わせを取りこぼしているとする。成約率が3割なら、年間で約4件の機会損失。外壁塗装1件100万円として、年間400万円の売上が消えている。
月額9,800円を「安い」と感じている間に、その何十倍もの売上がサイトの穴から漏れ出ている。
これが、月額9,800円のホームページの「本当のコスト」だ。

「直帰率」という名の静かな殺し屋
ここで、ひとつの指標を紹介したい。
「直帰率」だ。
直帰率とは、サイトを訪れた人が、最初のページだけを見てそのまま去ってしまった割合のことだ。
たとえば直帰率が80%なら、100人が訪れたうちの80人が、ファーストビューだけ見て「違うな」と判断し、二度と戻ってこなかったことを意味する。
80人の見込み客が、あなたの目の前を素通りしていった。
名前も知らないまま、連絡先も残さないまま、永遠に。
直帰率は、Googleアナリティクスを入れれば誰でも確認できる。しかし、多くの事業者はそもそもアナリティクスを入れていないか、入れていても見ていない。
自分のサイトが何人に見られて、何人が逃げているか、知らないまま営業を続けている。
これは、実店舗に例えるなら、お店の前に何人が立ち止まり、何人がドアを開けず去っていったかを、まったく数えていないのと同じだ。
では、どうすればいいのか
ここまで問題を指摘してきた。では解決策は何か。
答えは、サイトを「制作物」ではなく「営業マン」として設計し直すことだ。
サイトは、24時間365日休まず働く営業マンだ。しかしそのためには、優秀な営業マンと同じスキルが必要になる。
① 相手の悩みを理解している(ターゲット分析・顧客インタビュー)
② 最初の一言で興味を引く(ファーストビューのヘッドライン)
③ 信頼できる証拠を見せる(社会的証明・実績・第三者の声)
④ 行動する理由を与える(オファー設計・限定性・リスクリバーサル)
⑤ 今すぐ行動できる導線を用意する(段階的CTA)
⑥ 成果を測定し、改善し続ける(アクセス解析・A/Bテスト)
月額9,800円のサイトは、このうちゼロ個を提供している。
見た目を整えてくれるだけだ。それ自体に価値はある。しかし、営業マンとして機能するかどうかは、まったく別の話だ。
きれいなスーツを着た営業マンが、お客の話を聞かず、自分の話ばかりして、名刺だけ渡して帰っていく。
今日見た6つのサイトは、すべてそういう状態だった。
最後に——「挑戦者の価値を届ける」のは、誰の仕事か
あの制作会社は、自社のミッションをこう掲げている。
「挑戦者の価値を届ける」
美しい言葉だ。しかし今日見た6サイトの現実は、挑戦者の価値が「届いていない」ことを証明していた。
- 整体院の院長の施術技術は、届いていない。
- 映像クリエイターの才能は、届いていない。
- ウェディングプランナーの情熱は、届いていない。
- 建設会社の誠実さは、届いていない。
- 焼肉店の雌牛へのこだわりは、届いていない。
- 工務店の「笑顔の家」への想いは、届いていない。
サイトが「存在している」だけでは、価値は届かない。
価値を届けるためには、見込み客の頭の中の会話に入り込み、その人が今まさに感じている痛みや不安を言語化し、「ここに答えがある」と感じさせるコピーと設計が必要だ。
それは、テンプレートでは作れない。
AIが自動生成するSEO記事でも作れない。
月額9,800円の原価構造にも、収まらない。
あなたの商売を、あなたの顧客の言葉で語ること。
それが、「直帰率と戦う」ということだ。
あなたのサイトは、「存在している」だけになっていないだろうか。
もし少しでも心当たりがあるなら、一度ご相談ください。
あなたのサイトの「健康診断」を無料で行います。
直帰率がどれくらいか、どこで見込み客が離脱しているか、何を変えれば問い合わせが増えるか——データに基づいた診断結果をお伝えします。

GLOBAL UNION(グローバルユニオン)
直帰率と戦うコンサルタント
https://g-union.biz
※本記事で取り上げたサイトの企業名・個人名はすべて伏せています。特定の制作会社やクライアントを批判・中傷する意図はありません。本記事の目的は、「ホームページが集客に機能していない」状態に気づいていない事業者に対して、問題の構造を可視化し、改善のきっかけを提供することにあります。


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